台風の回り方は右回り?左回り?北半球と南半球で違うの?

秋が近づいてくると増える台風。

最近は、台風で今まで以上に大きな被害を受ける地域もあり、より警戒が必要になっていますね。

ところで、台風の回り方は右回りか左回りどちらなのか、知っていますか?

ここでは、台風の回り方や進み方、台風の目の仕組みについてお伝えしていきます。

 

台風の回り方は左回り!北半球と南半球で違う!

台風の回り方は、実は北半球と南半球で違うんです。

私たちの住む日本は、北半球にあるため、台風の回り方はいつも左回りになります。

では、どうして北半球ではいつも台風の回り方は左回りなのでしょうか?

原因も知りたい人は頑張って続きも読んでみて!

それは、地球の自転と深い関係があるからです。

ちょっと小難しい話になってしまいますが・・・

風は通常、気圧の高いところから低い方へと吹くものです。ここまでは知っている方も多いかな?と思います。

 

けれど、

地球の自転によってある力が働き、風が北半球では右向き、南半球では左向きに曲がってしまうんですって~。

その風を曲げる力は「コリオリ力(こりおりりょく)」または「転向力(てんこうりょく)」と呼ばれています。

 

コリオリ力は、慣性の法則の1つで、「回転体上を運動する物体に働く力」です。ちょっと難しいですよね。自転している地球に常に働いている、風を曲げてしまう力、というと分かりやすいでしょうか。

 

コリオリ力が働かない場合は、台風は、一番気圧が低く、上昇気流が発生している中心(台風の目)に向かってまっすぐふき込むものなのですが、地球ではコリオリ力が働くことで右側にずれた風は中心に戻ろうとし、左向きに弧を描くように曲がります。

その結果、北半球では左向きの渦になる、というわけです。

渦となった風は、次々に積乱雲を生み出します。台風が渦巻き状に発達するのはそのためなんです

。南半球では、北半球とは反対に力が働くため、右巻きの渦になります。

ちなみに、赤道直下では、コリオリの力が発生せず、雲が渦を巻かないため、台風はほとんど発生しません。台風の発生には海水温の上昇が関わってきますが、台風として発達するためにはコリオリ力が働くことが必須条件というわけですね。

 

台風は回り方だけでなく進み方もパターンがある?

なんだか日本ばかりが台風に合っているみたいな印象があります。

台風の進路でよく見かけるのが、台風が赤道付近の海上で発生して北上し、途中から北東に進むコースです。

もちろん例外もありますが、台風の進路といえば、このコースが多いイメージですよね。どうして、このような進み方になるのでしょうか?

それは、台風の出来方「偏西風」が関係してくるんです。

 

まず、台風の出来方について説明していきます。台風は、日本から遠く南に離れた赤道に近い、あたたかい海で発生しています。南のあたたかい海は、水の温度が高いことから、雲の元になる水蒸気が出来やすくなります。

たくさんの水蒸気が集まって出来た雲は、雲同士がくっついたりしながら、どんどん大きくなっていき、渦巻き状の大きな雲の塊になります。そして、その雲の周りの風の強さが「1秒間に17m進む速さ」(17/s)以上になったものを「台風」と呼ぶんです。

 

台風はぐるぐると渦を巻きながら、海や陸の上を進んで行きます。でも、台風は自分の力で進んでいるわけではないんです。台風を動かしているのは、空を流れている風です。他の雲と同じように、台風は風の流れに乗って進んでいきます。

空を流れる風の力が弱い時には台風は「偏西風」という風に乗ります。偏西風とは、どのような風なんでしょうか?

 

偏西風は、中緯度帯の上空を南北に蛇行しながら、地球を西から東へ1周するようにふく強い風です。この偏西風に乗って、日本付近では、低気圧や高気圧が西から東へ移動することで、天気も西から東へ変わります。

 

台風は、この偏西風に乗って北東に向かって進みながら日本にやって来る、というわけなんです。

暖かい季節になると、日本の空は「太平洋高気圧」というあたたかい空気の塊に覆われます。台風は、高気圧があるとよけて進んだり、時には押し返されたり、移動が遅くなったりして、日本に来ないこともあります。8月頃から太平洋高気圧は弱くなってくるため、日本にやってくる台風が多くなるんです。

 

「台風の目」はどうして出来るの?

上の台風は右回りなので南半球の台風ですね。

さて、お話ついでに、ここも押さえておきましょう。

あとで子どもに聞かれた時のためにも。

渦巻きのような形をしている台風の中心には、穴が開いたように雲のない場所が出来ています。この部分のことを、「台風の目」と言います。

台風は、中心に向かって反時計回りに強い風が吹いていて、中心に近づくほど、風は強くなっていきます。

そして、中心では空気がとても速く回転しているため、その遠心力によって雲が外にはじき出されてしまいます。そのようにして出来た台風の目は、風が吹かない場所になることから、そこだけお天気が良くなっていることもあるんです。

台風の真っ只中、ごうごうと大きな風の音が突然止んで静かになったことはありませんか?

それは台風の目の中に入っていたからなのかもしれませんね。台風の目にあたる場所は、一時的に風や雨が弱くなりますが、台風が通過するとまた風や雨が強くなるので注意が必要です。

台風の回り方や進み方、台風の目の仕組みについてお伝えしました。これから天気予報を見る時に、台風の回り方や出来方を考えながら見てみると新しい見方が出来て面白いと思います!

 

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