更年期のコレステロールを下げる運動【女性向け】でホルモン変化に負けない体づくり!

更年期を迎えると、健康診断で「コレステロールが高めですね」と指摘される女性が増えてきます。これは珍しいことではなく、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減ることで、悪玉コレステロール(LDL)が増えやすくなるということも関係しているのです。

カズコ

私は「そのまま放置すると動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳卒中といった重大な病気のリスクも高まる。」と言われました(汗)。

薬による治療が必要なケースもありますが、まず日常生活の工夫、とくに運動を取り入れることで改善を目指せる場合も少なくありません。

毎日激しい運動をする必要はなく、ウォーキングや軽い筋トレ、呼吸を意識したピラティスなど女性でも無理なく続けられる方法があります。

「最低でも一週間に2時間は運動しましょう。まずは2時間。」とも言われました。

1週間に合計2時間くらいだったらできるカモ、とその時は思いました。けれど、実際はなかなか・・・

本記事では、更年期の体にやさしく、コレステロール値の改善につながる運動習慣を紹介していきます。

週2時間程度の運動もままならなかった私でも習慣化している手軽な運動もご紹介します!

更年期とコレステロールの関係

更年期は女性の体にさまざまな変化をもたらします。その中でも健康診断で「コレステロールが高め」と言われる女性が急増するのはよく知られた現象です。

これは単に加齢のせいではなく、ホルモンの変化が大きく関わっています。ここでは、更年期とコレステロールの関係について整理します。

なぜ更年期にコレステロールが上がりやすいのか

女性ホルモンの一つであるエストロゲンは、コレステロールの代謝に深く関わっています。エストロゲンには「LDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)」を減らし、「HDLコレステロール(善玉コレステロール)」を増やす働きがあることが知られています。

ところが、更年期に入り卵巣の機能が低下すると、このエストロゲンが急激に減少します。その結果、LDLコレステロールが増えやすくなり、HDLコレステロールは減少傾向になります。血液検査で「総コレステロール値が上がった」と指摘されやすいのは、このためです。

厚生労働省 e-ヘルスネットでは、更年期以降の脂質異常の増加が示されています。
【参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「脂質異常症」

高コレステロールのリスク

コレステロールは体に欠かせない脂質ですが、血液中に多すぎると血管の内側に蓄積して動脈硬化を進めてしまいます。動脈硬化とは血管の壁が厚く硬くなり、血流が悪くなる状態で、放置すると心筋梗塞や脳梗塞など命に関わる病気につながります。

特に女性は、更年期を境に心血管疾患のリスクが急上昇することが知られています。

日本循環器学会の関連コラムで、エストロゲン低下と心臓病の相関が明確に解説されています。
【参考:心臓血管研究所コラム「閉経後に変化する?女性の更年期と心筋梗塞の関係」】https://www.cvi.or.jp/9d/718/

若い頃は女性ホルモンが心血管を守る役割を果たしていましたが、更年期以降はその保護が失われるため、男性と同じように心疾患のリスクを抱えるようになります。これは「女性の心臓病は閉経後に急増する」といわれる大きな理由です。

また、高コレステロール状態が長く続くと、糖尿病や高血圧と組み合わさってリスクがさらに高まり、健康寿命に影響を及ぼす可能性もあります。

コレステロールを下げるために効果的な運動

更年期のコレステロール対策では、まず「運動」を生活に取り入れることが重要です。継続的な身体活動は、中性脂肪やLDL(悪玉)を下げ、HDL(善玉)を上げる方向に働くことが示されています。

厚生労働省のe-ヘルスネットは、脂質異常症の改善に運動が有効である点を明示しています。

また、厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド(2023)」でも、身体活動が脂質代謝(コレステロールや中性脂肪など)やメンタルヘルス、心血管代謝機能の改善に資することが示されています。厚生労働省

有酸素運動(ウォーキング・ジョギング・水泳)

ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動は、脂肪をエネルギーとして使いやすくし、中性脂肪やLDLの改善に役立ちます。e-ヘルスネットの「脂質異常症を改善するための運動」では、血中脂質に好影響を与えるには“数か月以上の継続”が必要で、HDLコレステロールを増やす最低条件として「週合計120分の運動」または「週合計900kcalの消費」が示されています。

目安としてこのラインを意識しながら、息が上がりすぎない強度で継続していきましょう。健康日本21

筋力トレーニング(スクワット・腕立て・自重トレーニング)

更年期は筋肉量が落ちやすく、基礎代謝の低下が脂質代謝の悪化に結びつきやすい時期です。下半身の大筋群を中心にスクワットや自重トレーニングを取り入れると、エネルギー消費の“土台”が高まり、体脂肪や血中脂質のコントロールに良い影響が期待できます。

厚生労働省の2023年ガイドは、有酸素運動だけでなく筋トレやバランス運動を組み合わせる“マルチコンポーネント”の実施を推奨しています。週に複数回、無理のない回数・負荷から始め、フォーム重視で継続しましょう。※自重トレーニングとは、自分の体重(自重)を負荷として行うトレーニング(スクワット、腹筋・腕立て伏せ等)のことです。厚生労働省

ヨガ・ピラティス

ヨガやピラティスは、呼吸と姿勢・体幹の安定を重視するため、更年期でも取り入れやすい運動です。

直接「ヨガでコレステロールが必ず下がる」と断定できるわけではありませんが、身体活動量の確保と自律神経・メンタル面の安定を通じて、間接的に脂質管理を後押しします。実際、2023年の厚労省ガイドは身体活動が脂質代謝とメンタルヘルスの両面を改善しうることを示しています。厚生労働省

さらに、e-ヘルスネットはストレスや抑うつが心血管イベントの危険因子になりうることを解説しており、日々のストレス低減を図るアプローチは、長期的な心血管リスク管理の観点からも意義があります。健康日本21

女性向けに取り入れやすい運動習慣

更年期のコレステロール対策は「がんばる日」を作るよりも、日々の小さな積み重ねが要です。無理のない強度と分量を押さえつつ、生活の中に自然に組み込んでいきましょう。

1日30分を目安に、週に150分の活動が推奨(WHO/厚労省)

WHOは成人に対し、週150〜300分の中強度の有酸素的身体活動または週75〜150分の高強度、あるいはその同等の組み合わせを推奨しています。加えて、週2日以上の筋力トレーニングが勧められています。毎日30分前後を積み上げて週150分を目指す考え方でOKです。
日本でも「身体活動指針(アクティブガイド)」が示され、18〜64歳は“歩行相当以上(3METs以上)を毎日60分、運動を週60分という目安が整理されています(生活活動と運動の区分や強度定義も明示)。自分の体調に合わせて、まずは確保しやすい時間から始めましょう。厚生労働省

家事や日常動作に運動を取り入れる工夫

時間がとれない日は、家事・通勤・買い物などの「生活活動」を積極的に活用します。エレベーターの代わりに階段を使う、最寄りより一駅手前で降りて歩く、掃除や洗濯の動きを“運動”と捉えて大きめに行う、買い物は徒歩で行くなど。厚労省の基準でも「生活活動」は立派な身体活動として位置づけられており、歩行相当以上(3METs以上)を増やすことが推奨されています。厚生労働省

無理をせず「できる時に少しずつ」継続するコツ

体調の波がある時期は、“できる日に少しずつ”が続けるコツです。WHOガイドラインは「やらないより少しでも動く方が良い」という原則を明確に掲げています。

短い歩行を1日に数回に分ける、家事の合間に1〜2分のストレッチを差し込む、疲れが強い日はゆっくり散歩だけにする——この柔軟さが長続きにつながります。世界保健機構
また、日本の最新ガイドでは、座りっぱなしの時間を長くしすぎない配慮や、有酸素+筋トレ+バランス系の「多要素」アプローチが推奨されています。立ち作業に切り替える、テレビ視聴のCM中に立ち上がる、週2〜3回は軽い筋トレを混ぜるなど、負担の少ない工夫から取り入れてみてください。

運動だけでなく気をつけたい生活習慣

コレステロールを下げるには運動が大切ですが、それだけでは不十分です。食事・睡眠・生活習慣の見直しを組み合わせることで、より効果的に血中脂質の改善や心血管疾患の予防につながります。更年期女性が意識したいポイントを3つ紹介します。

食事の工夫(食物繊維・オメガ3・大豆製品)

食事はコレステロール管理の基本です。

  • 食物繊維:水溶性食物繊維は胆汁酸を吸着して体外に排出し、血中コレステロールを低下させます。野菜、果物、海藻、豆類を意識的に摂りましょう。

  • オメガ3脂肪酸:青魚に多いEPAやDHA、亜麻仁油やえごま油に含まれるα-リノレン酸は中性脂肪を下げる働きが報告されています。

  • 大豆製品:豆腐、納豆、豆乳に含まれる大豆たんぱく質やイソフラボンは、血中脂質の改善に有効とされています。

厚生労働省も、脂質異常症の一次予防として食物繊維や不飽和脂肪酸を積極的に摂ることを推奨しています。

良質な睡眠がホルモンと代謝を支える

睡眠不足や不規則な睡眠は、ホルモンバランスと代謝に悪影響を与えます。特に更年期は不眠や中途覚醒が増えるため、眠りの質を意識することが大切です。

  • 就寝前のスマートフォン使用を控え、ブルーライトを避ける

  • 寝室を静かで暗く、快適な温度・湿度に整える

  • 寝る前にぬるめのお風呂に入ることで自然な眠気を誘う

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針2014」では、睡眠は生活習慣病の予防と密接に関わることが示されており、睡眠不足は糖代謝・脂質代謝の異常を引き起こす要因とされています出典:厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針2014」

質の良い睡眠は、自律神経を整え、代謝の安定を支える土台になります。

禁煙・節酒も大切

喫煙と飲酒もコレステロールや血管の健康に大きく関わります。

  • 禁煙:喫煙はHDL(善玉)コレステロールを下げ、動脈硬化の進行を早めます。禁煙することでHDLが改善し、心血管リスクが下がることが知られています。

  • 節酒:少量の飲酒はHDLを上げる場合もありますが、過度の飲酒は中性脂肪の上昇や肝機能障害につながります。厚生労働省は「1日平均純アルコール20g未満」を目安とし、休肝日を設けることを推奨しています。

更年期以降は肝機能や代謝の変化も加わるため、「飲みすぎない」「吸わない」を徹底することが長期的な健康維持につながります。

医師に相談すべきケース

運動してもコレステロール値が下がらない

有酸素運動や筋トレを数か月続けても改善が乏しい場合は、体質や合併症により薬物療法を含む医療的介入が必要になることがあります。厚生労働省の解説では、脂質異常症の治療は生活習慣の改善が基本でありつつ、必要に応じて薬物療法を行う方針が示されています。日本動脈硬化学会のガイドラインも、リスクに応じた薬物治療の適応を定めています。健康日本21j-athero.org

強い倦怠感や胸の痛みを伴う場合

「胸が締め付けられる」「押さえつけられるように痛む」などの症状は狭心症や心筋梗塞のサインの可能性があり、速やかな受診が必要です。国立循環器病研究センターは、胸痛の典型的な性状や持続(安定狭心症は数分、心筋梗塞は30分以上など)を具体的に示し、異常を感じた際の受診を勧めています。国立がん研究センター
また、循環器学会の一次予防ガイドラインは、脂質異常症が動脈硬化性心血管疾患の主要危険因子であることを前提に、適切な管理の重要性を強調しています。一般社団法人 日本循環器学会

薬との併用が必要な場合

糖尿病や高血圧の治療薬、ホルモン補充療法(HRT)など他の薬を使用中の方は、脂質改善薬やサプリメントとの相互作用や管理について医師と相談してください。治療の基本は生活習慣の改善+必要時の薬物療法という枠組みで、医師の指導の下で安全に行うことが推奨されています。健康日本21+1

※上記はいずれも一般的な目安です。数値が高い状態が続く、胸の違和感や息切れがある、家族に若くして心筋梗塞を起こした人がいる等の場合は、早めに医療機関へご相談ください。国立がん研究センター

まとめ

更年期は女性ホルモンであるエストロゲンが減少することで、悪玉コレステロール(LDL)が増えやすく、善玉コレステロール(HDL)が減少しやすい時期です。その結果、動脈硬化が進みやすくなり、心筋梗塞や脳卒中といった重大な病気のリスクが高まります。だからこそ、更年期を迎えた女性にとって「コレステロールをどう管理するか」はとても重要な課題です。

取り組みやすい対策は運動です。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は中性脂肪やLDLを減らし、筋トレは基礎代謝を高めます。さらに、ヨガやピラティスは自律神経を整え、ストレスによるコレステロール上昇を防ぐ助けになります。これらを「週150分」を目安に生活に組み込み、無理なく継続することが効果的です。

また、食物繊維やオメガ3、大豆製品を取り入れた食事、良質な睡眠、禁煙・節酒といった生活習慣の改善も欠かせません。努力をしても数値が下がらない、強い倦怠感や胸の痛みがある、薬との併用が心配な場合は、早めに医師に相談することが安全です。

更年期は体が大きく変化する時期ですが、正しい知識と生活の工夫で、ホルモン変化に負けない健康な体づくりが可能です。無理をせず少しずつ、できることから取り入れていきましょう。